「新年の挨拶」

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「新年の挨拶」

新年あけましておめでとうございます。日本リミニストリート株式会社 脇阪でございます。
昨年度は多くのお客様に大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

昨年は、経産省のDXレポートから「2025年の崖」という言葉がITマーケットを駆け巡った年でした。私も、技術的負債が積みあがった日本のITには大きな危惧を感じており、このままでは日本がIT後進国になってしまうのではないかと懸念しております。その中で、多くのCIO、情報システムの責任者だけでなく、経営者の方々もこの深い崖に落ちないようにし、ビジネスにITを融合するためには何をするのかを真剣に考え始めた年であったかと感じております。

弊社におきましても、皆様が、2025年の崖に落ちずに、DXを促進できるようにサポートをさせていただくつもりでおります。日本はDXに出遅れていると言ったレポートは至るところから出されてきております。弊社の調査に置きましても、グローバルに比べて日本のDXへの取り組みは遅れていることが分かっています。また、DXにおけるIT部門も、リーダシップ的な役割を取りきれていないとも感じます。

長年IT業界に身を置く私なりに考えるのは、日本人は「まず、基盤を整備して」といった、絶対にミスを犯さないことを前提に物事を進めていく傾向があると思います。最初から完璧な世界を目指していきます。しかしながら、日本企業の競合先はもはやグローバルと言われて長く立ちますが、競合会社はとにかく他社よりも先に出ることを狙って、恐ろしく速いスピードでアジャイル型のビジネスを仕掛けています。ここで、DXの基盤を整備してなんてのんびりしたことを言っていて良いのでしょうか?

昨年は、このあたりに危機感を持たれたお客様が、数多く弊社のサポートに移行されました。弊社への移行を決めていただいたとある会社の常務のお話を引用させていただくと、「S/4 HANAへのバージョンアップを見送れば、それなりに効果を出しているDXプロジェクトを、数十プロジェクト実行できるということだね」とおっしゃいました。こちらのお客様、変化の激しい業界にいらっしゃいまして、「企業が成長するには、今やるべきことはなになのか」ということにフォーカスをされます。

また、別のお客様のITの責任者は、「IT部門は、自分たちのことを、ビジネスの当事者ではないベンダーやSIになぜ決めてもらうのか理解ができない」とおっしゃっています。彼は、ご出身が現業部門の責任者をされていて、ITの変革のために異動されてこられました。2025年が近づくにつれ、ベンダーのロードマップに乗っていくのか、それとも、自社の戦略に基づいた独自のロードマップを描かれるのかを今年には選択していかないと、崖に向かって真っ逆さまと言った状況でしょうか。

そういったマーケットの状況もございまして、弊社のビジネスは非常に順調に成長しております。昨年も多くのお客様に採用を決めていただき、現在では220社を超えるお客様をサポートさせていただいております。昨年の特徴としては、非常に複雑で、大きなランドスケープをグローバルでご活用されるお客様の採用が多かった点があります。

皆様の中には、それだけお客様の数が増えていて、リミニストリートはサポートを継続することができるのかといったご心配の声も聞こえ始めております。まずは、既存のお客様にご迷惑をおかけしないように、最優先事項として、サポートの能力と体制の向上に力をいれていきます。そのために、本年はいくつかの施策をとっていきます。

まずは、エンジニアの働き方改革をさらに進めていき、その活動を皆様にもお伝えできる体制を作りたいと思っています。現在、弊社のエンジニアは、フレキシブルな勤務を認めています。エンジニアによっては、オフィスの方が集中できるのでオフィスで働きたいと言う人もいますし、お子様が小さいから、ご両親の介護をしなくてはいけないからといった理由、もしくは、自宅で一人の方が集中できるからといった理由から、自宅勤務を制限なく認めております。そのために、ITにおいては頑固なセキュリティー環境を構築し、また、コレボレーションツールを活用して、多様化する働き方に対応させています。最先端のAIの活用も始めており、分散して働いているエンジニアをいかに効率的に運用できるかのチャレンジも進めております。

現在も、福岡、大阪、シドニー、マレーシアなど、日本と同じ、もしくは、近いタイムゾーンで働いているエンジニアが数名いますが、本年はこのあたりのももっと力を入れ、Uターン、Iターン就業を推進するような試みもできないかと思っております。さらには、できるだけ長く働いていたいといったエンジニアにも安心いただけるような施策も検討しています。そういう働きやすい環境の構築により、とかくハードできついと言われる(特に本稼働前は)ITエンジニアの働き方を改革し、弊社の仲間となっていただけるエンジニアを募集していきます。昨年末の日経新聞にも出ておりましたが、日本のエンジニアの年収は諸外国に比べて低いといった問題にも、積極的に解決できればと思っております。

さらに本年度は、日本リミニストリート(株)のグローバルにおける独立性を高めていく動きを進めてまいります。これは、日本におけるビジネスの成長と顧客満足度が、グローバルに認められた結果です。もちろん、エンジニアの運用等はグローバルオペレーションの中で行われていくのですが、お客様との接点は、日本リミニストリート(株)がさらに責任をもって進められる体制へと移行してまいります。弊社CEOのSeth Ravinはビジネスカルチャーの多様性には、大きな理解がございます。そのために、弊社の本社リーダーシップチームのメンバーをよく日本に連れてきますが、彼らに欧米以外のビジネスカルチャーがあることを理解させるためだとしています。今後も日本のお客様のご要望に即した迅速で質の高いサポートをご提供できるように努力してまいります。詳細は、プレスリリース等を通じてご報告ができればと思っております。

本年は、日本リミニストリート株式会社の第三の成長期に入ると期待しております。皆様からのご指導、よろしくお願いいたします。

日本リミニストリート株式会社
日本支社長
脇阪 順雄

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