RDBMS市場について書いてみました。

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RDBMS市場について書いてみました。

マーケティングの北川です。私のバッググランドは、RDBMSです。大学の研究で始まり、DEC時代のVAX Rdbの技術サポート、Microsoft時代のMicrosoft SQL Serverのマーケティングと、長年にわたりRDBMSの技術とビジネスに携わってきました。RDBMSの歴史は、とても古いです。それは、IBM社が、1970年代に研究開発で開発したSystem Rに遡ります。System RはDB2の前身で、初めてSQL言語を搭載した画期的なリレーショナルデータベース管理システムです。その後、System Rに影響を受けた、商用のOracle、Ingress、Sybase、Informixなどが登場します。RDBMSの技術が登場して、もう40年も経過するのです。RDBMSがメジャーになるまでは、ネットワーク型のDBMSがメインフレームで主に利用されていましたので、RDBMSの次は何かという関心もありました。オブジェクト指向データベースも一時的に話題になりました。しかし、RDBMSは、欠点であったJoinの処理時間も克服して、分かりやすいSQL言語、実行時にテーブルを操作するというその柔軟性によって、私の想像を超える普及を市場で果たしました。

当初は、RDBMSの内部にトランザクション管理モニターの機能も取り込むことで、比較的単純なトランザクション処理で利用されていましたが、インデックス、ストレージへの格納方法、並列処理の改善、メモリの利用によって、徐々にレポーティングやAnalyticsなど、一度に大量データを処理する用途への利用が増えてきました。ITの用途が、レコードを処理して保存するSystems of Recordから、より高い付加価値を生む、データを活用するSystems of Engagementに移行してきたことにも関連していると考えられます。といっても、ターンキーシステムとして、システムに組み込まれたトランザクション処理の実行用のRDBMS用途というのは、普遍的に存在します。また、Apache Hadoop、AWS Redshiftに見られるように、大量にデータ活用する処理では、RDBMS以外の選択肢も増えてきています。

そして、現在、成熟した他の技術に見られるように、オープンソースソフトウェアのRDBMSが実力を急速につけてきています。オープンソースソフトウェア利用の不安であるサポートも、有償サポートが拡充されています。クラウドの一部として、サポートが提供される場合もあります。弊社の顧客でも、商用からオープンソースソフトウェアに全面移行を決断したところがあります。

先日、あるアナリストと話したとき、昔は、どのOSにする?どのRDBMSにする?といった話題が多くあったのですが、今は、どのクラウドにする?という話で終わるとのことです。元RDBMS屋としては寂しい限りですが、これも基盤のソフトウェアが成熟した証拠なのだと思います。

このような歴史があり、成熟したRDBMSを、どのように適材適所で考えるかの重要度が増しています。なぜなら、RDBMSは1企業の中では数十、数百と多くのライセンスを要し、購入および保守の費用もIT予算内で無視できるものではないからです。また、最新版の機能が必要ないのに、保守サービスを受けるため、常に最新版へのアップグレードが必要なRDMBSもあり、そのリソースも無視できません。

このような中、RDBMS検討のためのポイントとしては、以下があります。

  • トランザクション用途か、データ活用用途か、その両方か
  • 要求される信頼性の度合いは
  • 機能的にみて、オープンソースソフトウェア利用の可能性(技術サポートがどれくらい受けられるか)
  • クラウドで利用するかどうか
  • バージョンアップが必要かどうか
  • 常に最新バージョンにアップグレードするか・できるか(製品によっては、それが保守サポートを受ける条件になります

リミニストリートでは、Oracle、SAP社のDBMS、Microsoft SQL Server、IBM DB2の保守サービスを提供しています。自社で、商用のRDBMSのロードマップを管理したい場合、ぜひ、ご活用いただければと思います。たとえば、全面オープンソースソフトウェアにいく選択をしたが当面残る商用のRDBMSに弊社のサポートを使う場合。また、既存のトランザクション処理用のRDBMSは今後バージョンアップしないで弊社のサービスを使うがデータ活用は他の技術を使用、そして、新しいトランザクション処理はオープンソースソフトウェアを活用する場合などです。

機械学習やAIによって、データが、人、モノ、金、同等・以上に重要な企業資産となる時代、その処理、格納技術であるDBMSについて、自社ビジネスにあわせた戦略をもつときではないでしょうか。

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