ERPの移行を自社の判断とタイミングで行うために – ウシオ電機様の事例で見るSAPとの付き合い方 –

ERPの移行を自社の判断とタイミングで行うために – ウシオ電機様の事例で見るSAPとの付き合い方 –

目次:
ERPの移行を自社の判断とタイミングで行うために
攻めのITと守りのIT
基幹システム刷新に対する考え方及びリミニストリート検討を始められた経緯
検討のポイント
保守切替の成果とリミニストリートのサービス品質

動画で詳しい解説を見る: ERPの移行を自社の判断とタイミングで行うために – ウシオ電機様の事例で見るSAPとの付き合い方 –

ERPの移行を自社の判断とタイミングで行うために

ウシオ電機様の事例で見る基幹システム刷新の考え方

2022年6月15日にウシオ電機株式会社のグローバルIT戦略部門長の須山様をお招きして「ERPの移行を自社の判断とタイミングで行うために」というWebinarの講演をしていただきました。

ウシオ電機グループ様は1964年のご創業以来、ランプ、レーザー、そしてこれらを組み込んだ光ユニットそして光応用製品に至るまで、光のイノベーションカンパニーとして様々な産業分野に光製品及びサービスを提供し続けて来ました。

2005年に基幹業務システムとしてSAP ERPを導入され、オンプレミスで運用されてきましたが、2017年5月にSAPをAWSのクラウドにシフトし、さらに2022年6月の段階ではSAP以外のIT環境も9割程度クラウドに移設されています。

またウシオ電機様は2019年からリミニストリートのSAP保守サービスを利用されています。

攻めのITと守りのIT

須山様のお話の中で「守りのIT」と「攻めのIT」がはっきり定義されている事が印象的でした。

「我々事業部門とともに業務の効率化、標準化、自動化あるいはデジタル化を推進することで生産性や業務品質の向上に努めています。システム運用においても自動化やクラウド化によって工数やコストの削減に努めています。このようないわゆる「守りのIT」を推進することで、人的リソースの確保やコスト削減につながり、戦略的な「攻めのIT」を進めることができるようになります。IT部門は「守りのIT」と「攻めのIT」をバランスよく推進することで経営に貢献できると考えています。」

「基幹系システムに関しては2005年にSAPを稼働させてからECCのバージョンアップや様々なアドオンを繰り返してきましたが、グローバルでグループ企業を束ねてビジネスイシューに対応するためにサプライチェーンの改革が求められています。一方で、システムの刷新は自社の判断とタイミングで行いたいと強く考えています。こういったところからリミニストリートの第三者保守の検討を始めました。」

ウシオ電機様は「攻めのIT」に当たる基幹システムの刷新を検討されているものの、自社の判断とタイミングでそのプロジェクトを進めるために、「守りのIT」の部分である期間システム運用の部分のコスト削減を考えられています。

参考資料を見る: 【日本リミニストリート株式会社 無料オンラインセミナー】 第三者保守サポートの価値を考える ―2027年SAP ERP保守期限の延長への対応―

基幹システム刷新に対する考え方及びリミニストリート検討を始められた経緯

基幹システム刷新について須山様は次のように話されています。

「基幹システムの刷新となると、会社全体を巻き込んだプロジェクトになるので、費用面だけでなく、事業部側の各部署からある程度エース級を、兼務だとしても、プロジェクトメンバーに迎えてしっかりと体制を整える必要があります。そのためにはあるべき姿をある程度明確化して、改革のテーマや方針を定義したうえで、トップダウンで進める必要があります。」

「システム基盤が古くなってきたから、もしくはERP製品サイクルのタイミングになったからということでは全社的なプロジェクトを進めることはできません。しっかりとグランドデザインを行って、プロジェクト体制も事業部と協力して作り上げて、さらに関連システムのデザインも改めて見直したうえで進められるように、リミニストリートの第三者保守を活用して、基幹システムの刷新の意思決定を戦略的に先送りするという選択をしました。

そこから数年経ち、今年度はあるべき姿を明確にして、グランドデザインを行っています。来年度はそれをインプットにして、システムの再設計を終え、パッケージ選定も改めて行なった上で、グローバルでの統合、マスターデータの統一、業務の標準化を含めたBPR(ビジネスプロセスの再設計)とシステム刷新を行っていく予定です。」

多額な投資と人的資源を要する基幹システム刷新プロジェクトを、業務上の様々なニーズに合わせ、自分自身が定義した優先順位とスケジュールで行っているというのはまさに正論だと思いますし、SAPシステムの保守切れというスケジュール上の障害を第三者保守活用で回避されながら、正論に従って行動されているウシオ電機様は非常に素晴らしいと思いました。

検討のポイント

続きまして、第三者保守に切り替えるにあたり検討された課題について須山様に教えていただきました。

切り替えるにあたり、須山様は最初にSAP社と契約上の制約や手続きについて確認されたようです。すべての点においてSAP社から明確な回答をもらえませんでしたが、結果的に大きな障害となる点は確認されなかったようです。さらに現在のSAPシステム運用保守に関わっている数社のベンダーや監査法人にも問題になり得る事項があるかどうか事前確認をされましたが、切替の大きな障害になるような事項がないことが分かり、切り替えることを決断されたようです。

保守切替の成果とリミニストリートのサービス品質

最後に、リミニストリートに保守を切り替えられた成果やリミニストリートの品質について須山様にお話しいただきました。

「自分たちの判断で今後のことを進めたいのはもちろんですが、さらに保守料半減というコストメリット、何よりも問い合わせに対してリスポンスの速さ、過去の取り合わせ内容を踏まえて、プロフェッショナルとして迅速に対応をしていただけるところにも非常に満足しています。」

「少し具体的に言うと、問合せに対するレスポンスについてですが、リミニストリートに切り替える以前はSAPに対して問い合わせても担当者が2~3日アサインされないこともあったり、優先度を上げてもレスポンスがあまり変わらなかったりすることは多分皆様も経験されていると思いますが、リミニストリートに切り替えたことで、24時間以内に専任の担当者から受付のメッセージが送信され、優先度が通常であったとしても5日以内に一次回答が来ますし、また専任担当者は経験豊富な方が多いので、どなたが担当してもきちっとした回答が返ってきます。回答内容も優れていると感じています。」

参考資料を見る: SAP社が提供する保守ではなく、リミニストリートの統合保守を選択すべき理由

「弊社のIT担当者だけではなく、一緒にシステム運用を担当されているベンダー様が特にこの点を感じているようで、当初は保守を切り替えて関係性はどうなるだろうかと言っていた方も、SAPからリミニストリートに保守を切り替えてよかったとコメントしています。全体的にシステム運用に関して品質は上がっていると感じています。」

「更に実際の障害があった時のサポート依頼については、SAP社はパフォーマンスやアドオンについては別契約が必要でしたが、リミニストリートはパフォーマンス調査やアドオンも含めて全面的に調査してくれます。」

弊社のサポート品質に関して色々とお褒めの言葉をいただき光栄です。

これからも高いサービス品質を保つよう精進していきたいと思います。

今回はウシオ電機株式会社の須山様より、自社の判断やタイミングで基幹システムの刷新を計画するお話しや、その障害であるSAPシステムの保守切れをリミニストリートのサービスを活用することで乗り越えられた話をご紹介いただきました。

日本では2000年前後がSAP ERPの導入がピークでしたので、ウシオ電機様と同様に、20年ほど利用された基幹システム刷新の構想を持たれているお客様も多いのではないと思います。この一大プロジェクトを貴社のタイミングで行えるようリミニストリートがソリューションをご用意しておりますので、何でも気軽にご相談いただければ幸いです。

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トピック:ERP, SAP, 第三者保守, クラウド