1938年の創業以来、オーエスジー株式会社は、切削工具、ローリングダイス、機械部品の製造において、精密さの代名詞として知られてました。日本に本社を置くオーエスジー株式会社は、現在33の国と地域で事業を展開しており、高性能・高付加価値な切削工具を通じて、世界の産業を支えています。しかし、あらゆる業界でデジタルトランスフォーメーションが進む中、多くの歴史ある大企業と同様にオーエスジー株式会社も、既存のオンプレミス環境において現代的なデジタル機能を導入するという課題に直面してました。  

オーエスジー株式会社 情報システム部部長 原田剛氏は、次のように語ります。 
「当社にはもともとデジタル技術に依存する文化がありませんでした。しかし現在、デジタルツールの力は非常に大きくなっており、生産スケジューリングや、生産設備からの稼働データの収集といった分野で活用しています。」

安定したOracleシステムを基盤に、独自のデジタル戦略を推進 

オーエスジー株式会社がOracle E-Business Suite(EBS)を導入したのは2010年のことでした。営業管理、受注管理、在庫調達、経理、生産管理といった基幹機能を統合することが目的でした。しかし、原田氏が振り返るように、導入プロジェクトは当初の計画通りには進みませんでした。最終的には、Oracle EBSの持つ強みを最大限に活かす形で導入することができず、ベンダー側のロードマップも、自社の長期的な目標とは一致していないことが判明しました。 
 
オーエスジー株式会社の主な目標の一つは、自社の製造業としての特性に合った、ビジネス主導型のロードマップを実現することでした。「ベンダーのロードマップに従う場合、当社にとって不要な機能のためにアップグレードを続ける必要がありました。」と原田氏は説明します。そして2017年、固定ITコストの削減とIoTおよび工場自動化への投資拡大を目的として、オーエスジー株式会社はOracleのサポートから離れる決断を下しました。 
 
リミニストリートのチームとの対面による複数回のミーティングや、リミニストリートのサービスを導入した他の企業へのヒアリングを経て、そのサービスレベルや技術力を確認した上で、原田氏はRimini Support for Oracleの採用を決定しました。「リミニストリートとの契約によって、当社のビジネスニーズに基づいたITロードマップを自らの手でコントロールできるようになりました。その結果、Oracleの保守・運用にかかっていた固定費を大幅に削減することができました。これらは当時のIT予算の86%を占めていました。リミニストリートにより、不要なアップグレードの連鎖から解放され、IT全体のコストを78%まで抑えることができ、新たな価値創出に向けた資金と柔軟性を確保できました」と原田氏は語ります。

ITイノベーションへの現実的なアプローチ 

多くのOracleユーザーがクラウド移行の圧力を迫られている中、そのリスク、業務への影響、そしてコストは、企業にとって重要な検討要素となっています。原田氏は、次のように語ります。「当社もクラウドへの移行を検討しましたが、最終的には見送ることにしました。現在のEBSはオンプレミスのアーキテクチャ上に構築されており、同等の可用性をクラウド上で再現するには非常に高額な費用がかかります。」 
 
このように、デジタル自動化と既存のオンプレミス基盤のバランスを取る現実的なアプローチは、オーエスジー株式会社のスマートファクトリー戦略の基盤となるだけでなく、将来的な労働力不足への備えとしても役立ちます。ハイブリッド型の道を選ぶことで、オーエスジー株式会社はOracleの中核システムの寿命を延ばしつつ、業務の周辺領域において最適な技術を導入し、自動化を推進しています。 
 
さらに、リミニストリートの専門家がOracleシステムを24時間365日体制で支えているため、原田氏チームは、より効率的な業務運用を支える技術の導入に、時間とリソースを集中させることが可能となっています。

長期的なパートナーシップを支える卓越したサービス

最近、オーエスジー株式会社は、リミニストリートとのサービス契約を2029年2月まで延長しました。これはオーエスジー株式会社が、この戦略的パートナーシップに大きな価値を見出している証です。原田氏は、次のように語りました。「私たちとリミニストリートとの関係性は変わっていません。それは非常に稀なことです。リミニストリートは、最初に契約したときと同じレベルの丁寧さと配慮をもって、今も私たちをサポートしてくれています。彼らの専門性と的確な助言を高く評価しています。この安定した体制と継続的なフォローアップのおかげで、サポート品質の低下を心配することなく、社内目標に集中できています。IT戦略部門として最も重要なのは、製造業務の効率化に貢献することです。既存の現場能力と新しいデジタル技術を融合させることで、効率性をさらに高めることができます。」 

戦略的なコスト削減施策と、変革への強いコミットメントを通じて、オーエスジー株式会社は精密加工の分野におけるグローバルリーダーとしての地位を強化しつつ、自社の将来ビジョンに沿った革新的なプロジェクトへの投資を続けています。 
「リミニストリートの支援のもと、自社のロードマップに沿って進めたことで、当社にとって本当に価値のあるデジタル改革を優先することができました」と原田氏は締めくくりました。 

クライアントプロフィール
日本の切削工具メーカーであるオーエスジー株式会社は、リミニストリートとのパートナーシップにより、ITロードマップの主導権を握り、工場の自動化推進に向けた予算とリソースを確保しました。
業種
卸売・流通, 製造
地域
日本
メリット
  • IT予算におけるOracle運用費を8%削減
  • サポート費用の削減分を工場自動化に再投資