SAPユーザー企業が語る 第三者保守という選択

-リミニストリート移行で、堀場製作所が実現できたこと-

サービスソリューションアーキテクト 韓 問一(ハン ウオンイ)
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目次:

2022年は決断の年です
第三者保守の検討を始めた一番のきっかけはコストのかかるS/4HANAへの移行回避
第三者保守検討のプロセス及び実際に検討されたリスク項目
保守コストの大幅削減以外に得られたもの
自社のニーズから考えるITロードマップ

「2025(2027)年にECC6.0のサポートが終了した後、システムをどうすべきか迷っている」「投資額に見合ったリターンが得られますか?」「S/4HANAへのアップグレード以外に、検討できる選択肢はありますか?」等々、2025(2027)年問題に関するお問い合わせを多くのお客様からいただいています。

SAPシステムのS/4HANA移行は、本当に御社に必要ですか?2022年2月16日に堀場製作所 栗田様に弊社主催のオンラインセミナーにご登壇いただき、S/4HANAへの大規模なアップグレード投資を回避し、リミニストリートに移行するまでの経緯や、移行後の大幅なコスト削減により実現できたことについて、お話しいただきました。

2022年は決断の年です

2025年までまだ時間はあると考えられているSAP管理者の方もいらっしゃるかもしれませんが、ECC 6.0の保守切れから逆算すると、実は今すぐにプロジェクトを始めないと間に合いません。

一般的にアップグレード後のシステムの安定化には、1会計期間が必要と考えられています。日本の会社では4月から3月の会計期間が多いため、ECC 6.0の保守が残っている2025年3月にはアップグレード後のS/4HANAで決算業務を行うのが余裕を持ったリスクの低いスケジュールとなります。そのためには、2024年4月までにアップグレードを完了させて1年間業務データをS/4HANAシステムに貯めておく必要があります。システムを単純テクニカルアップグレードするBrown Fieldメソッドでも1年間くらいはかかると言われていますので、逆算すると来年SAPを利用する規模の企業の社内プロセスを考えれば、アップグレードアセスメント、概算見積取得、予算取り、RFP作成、アップグレード作業のベンダー選定を今後1年の間に行わなければなりませんので、今すぐERPのアップグレードチームを立ち上げたとしてもかなり厳しいスケジュールになります。逆に決断のタイミングである今年を逃してしまうと、アップグレードしたくても間に合わなくなります。

一方で、リミニストリートの第三者保守サービスを利用すれば、ECC6.0の保守期限を最低でも15年間延長することが可能です。現在のほとんどの企業の業務要件に十分対応可能なECC6.0をアップグレードする選択を慌ててする必要はありません。ITベンダーの都合ではなく、現在のERPに対応できないような「業務」要件が現れた時に、アップグレードを考えればいいというのがリミニストリートの考え方になります。

その第三者保守の選び方、品質などについては、リミニストリートのユーザーである株式会社堀場製作所グローバル本部ICTサービス部 部長の栗田様からお話を伺いました。

第三者保守の検討を始めた一番のきっかけはコストのかかる

第三者保守サービスの検討を始めたきっかけは、S/4HANAへの移行回避であると栗田様は仰います。

「SAP ERP ECC6.0の保守切れをきっかけに、2018年頃から様々なITベンダーから早く準備するよう提案を受けてきた一方で、膨大なバージョンアップコストに対してのリターン、つまりROIが明確でない点、また、多くの社内人材をバージョンアップのためにアサインする必要があり、他のITプロジェクトの足かせになる点が大きな課題でした。グローバルにERPが展開されているため、可能な限り安定しているERPシステムを長期利用し、社内のITリソースを他の注力すべき領域に振り分けたいという方向性から、リミニストリートへの保守移行の検討を始めました。」

第三者保守検討のプロセス及び実際に検討されたリスク項目

堀場製作所様がSAP第三者保守を本格的に検討し始めたのは、ERPのグローバル展開が一段落した2018年からだそうです。

「当社ではグローバルワンインスタンスでERPを展開・運用している関係上、第三者保守の検討も日本、インド、US、ヨーロッパなどグローバルな体制で行いました。検討期間中に日本リミニストリートのみならず、各国にいるリミニストリートのメンバーから各国にいる担当者に対してそれぞれ対面でサービスの説明及び質疑を行ってもらい、各国のメンバーの不安を解消させたのがポイントです。特に、SAPのお膝元でもある欧州にある一部拠点のメンバーから、第三者保守でシステムがSAP標準から外れていくのではという不安の声が上がりました。この不安を解消するために、日本のメンバーも参加してリミニストリートに対する質疑応答のセッションを複数回行い、また、すでに欧州でリミニストリートのサービスを利用されている企業様へのヒアリングも行いました。その結果、2019年の9月にリミニストリートの採用を決定して、4か月間の移行期間を経て2020年から正式に第三者保守を受けることになりました。」

保守コストの大幅削減以外に得られたもの

リミニストリートの採用でSAP保守のコストが約半分になりましたが、これ以外にも色々と効果があったそうです。

「一つ目は、社内のIT人材を注力すべき領域にシフトできたところです。ERP展開が一段落した2018年から社内でデジタル化推進のため、グローバルの情報活用や社内コラボレーションの基盤として、マイクロソフト社のオフィス365をグローバルで展開しました。これと並行して、社内のペーパレスや電子承認といった効率化推進もできました。加えて、昨今コロナ禍の中でデジタルマーケティング、カスタマーエクスペリエンス向上の施策、テレワークの普及に伴うインフラ環境の増強や、セキュリティ対策の強化も併せてできました。」

リミニストリートのサービスに移行して2年弱ですが、保守品質の面でも以前と変わらず、グローバルでERPシステムの安定運用ができているというのが栗田様の印象です。

「特に大きいのが、プライマリーサポートエンジニアをアサインしてもらえたところです。問い合わせや障害に対するレスポンスの速さもそうですが、初期の段階から専門的なところの調査に着手してもらえることで、問題解決のリードタイムも短縮できたと感じています。グローバルでの対応力では、日本の拠点と同様のサポートを世界の各拠点にも提供してもらえています。当初、色々と不安や懸念を持っていた一部の海外ITメンバーも今はリミニストリートを十分に信頼していて、当社としてはリミニストリートのサービスに全体的に満足しています。」

最後に、S/4HANAへ将来移行する予定があるかどうかという質問が出ましたが、栗田様のご回答は以下の通りでした。

「可能な限り、現在のSAP ERP ECC 6.0を活用していく方針のため、当面はありません。ただ、将来的に現在のシステムがどうしても耐えられないような内部環境や外部環境の変化が発生した時は、その時点での最善のERPを選択していくことになりますが、S/4HANAも選択肢の一つです。」

自社のニーズから考えるITロードマップ

今回、堀場製作所の栗田様をお迎えし、S4/HANAへの不要なアップグレード回避ご決断までの経緯や、リミニストリート移行での体験談、実際にデジタル化を実現された事例をご講演いただきました。ITロードマップについてはベンダーの都合ではなく、自社の業務上の必要性、優先順位から考慮して色々とご決断されている所がとても印象的でした。本セミナーはオンラインでも視聴可能なので、Q&Aを含め詳細にご興味のある方は、こちらも併せてご視聴ください。

参照オンラインセミナー:SAPユーザー企業が語る 第三者保守サポートという選択 -リミニストリート移行で、堀場製作所が実現できたこと-

第三者保守なら、現行SAP ERP ECC 6.0の寿命を最低でも15年間延長可能です。次期ERPのロードマップにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。本稿が御社にとって最適な決断を下すための参考になれば幸いです。

本Blogに関するご質問などございましたら、ぜひこちらからお問い合わせください。

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