ホーム > 10.03.19 すべてのシステムにOracle DBMSは必要なのか?

すべてのシステムにOracle DBMSは必要なのか?

 

日本国内において、Oracle DBMSを、主要なデータベース管理システムとして利用されている企業が多いのではないでしょうか?Oracle DBMSは、長年その市場をリードしており、機能や性能に優れたデータベース管理システムであり、以前はミッションクリティカルシステムにおいては、Oracle DBMSでなくては安心できないとのの意見を持つエンジニアも多数いらっしゃいました。

しかしながら、Oracle DBMSのシェアが大きくなるにつれ、マーケットの競争原理が働きにくくなり、Oracle社は毎年の保守料の値上げ、サポートレベルの不一致、IaaSへ移行時の係数の変更、仮想化環境におけるCPUのライセンス カウント方法の変更、そして、Standard Edition Oneといった小規模システム向けのライセンス形態の廃止といった、ベンダー都合のユーザーにとってはありがたくない変更が行われてきております。

日経BP社も日経 xTECH/日経SYSTEMSの中の記事で、「「実質値上げ」に苦しむOracle DBユーザー、継続か乗り換えか?」といった記事を掲載されています。やはり、この領域、多くのOracleユーザーにとっての悩みということだと思っています。

「DBを見直したいと考えるユーザーの80~90%はOracle DBの利用を継続する」とのアシスト社のコメントも併せて掲載されていますが、我々がグローバルで多くのお客様と会話をさせていただいている状況と比べて、少々の違和感をもちます。

ご存じのように、Oracle以外のデータベース管理システムの性能や機能が、大きく向上をしています。例えば、以前は大規模システムではMicrosoft SQL Serverでは不安であるとの意見を持つエンジニアもいらっしゃいましたが、弊社のエンジニアによると、SQL Serverは成熟が進み、大規模システムでも十分に対応できるものとなっているとのことです。また、利用が進むMySQLなどのオープンソースデーターベースの性能も飛躍的に向上し、Oracle互換DBMS、Tibeloも登場しています。Tibeloは95%以上もOracle DBMSのSQL言語と互換性を持ち、韓国においてはかなり大規模なOracleユーザーの乗り換えも進んでいるとのことです。また、データ活用がITの主流になってきており、その分野にも、Apache Hadoopなどの新しいデータストレージの選択肢が生まれています。

一方で、Oracle DBMSは、高い性能が要求されるトランザクション処理において利用されているケースが多く、その場合は、Oracle社独自のSQLでストアドプロシージャを作りロジックを組むことが多く、コード量も半端ではないため、そのようなシステムでのDBMSの変更は容易ではありません。

このような中、本当に企業の"すべてのシステム"にOracle DBMSを使い続けるといった必要性に、疑問を持たれている企業が出てきていることも事実です。

例えば、弊社のお客様で、エレベータ、エスカレータの製造会社であります株式会社フジテック様におかれましては、今後すべての新規開発はクラウド上で行い、かつ、Postgre SQLを利用されるとのことです。常務執行役員 デジタルイノベーション本部長の友岡様は、今後、変更なく継続して利用する既存システムのDBMSサポートは、すべてRimini Streetに保守移管して延命する一方で、既存システムのアプリケーションを改変するタイミングでOracle依存のSQLを標準SQLに変更して将来の移行へ備えて行くとの判断をされています。

すべてのアプリケーションにおいて、Oracle依存のSQLを標準SQLに変更し、DBを移行するには、多大コストと時間が発生するのに対して、アプリケーションの拡張が行われないのであれば、ビジネス的なメリットを出すことはできません。そのため、「バージョンアップにビジネス上のメリットが存在しない」システムのDBMSの変更は行わず、Rimini Streetで保守コストを下げ、新規システム構築時に新しい最適なテクノロジーへ移行することにより、一方的な契約変更リスクを低減し、かつ、ビジネスに対して貢献をするITを実現することができます。

弊社へOracle DBMSの保守を委託いただいた中国電力様も、Oracle DBMSからの脱却を狙われている企業です。元 中国電力株式会社 執行役員 情報通信部門 部長で現 株式会社エネルギア・コミュニケーションズ 常務取締役 情報システム本部長の丹治 邦夫 様は、弊社クライアントミーティングの中で、中国電力様におけるOracle DBMSは、オープンソースDBMSへの移行を進めているとのお話をいただきました。

韓国の現代起亜自動車様は、Oracle DBMSを互換DBのTibeloやオープンソースDBへの移行を進めていらっしゃいます。世界でも有数の大企業である現代起亜自動車様は多くのOracle DBMSベースのシステムをお持ちになられており、その完全な移行には非常に長いリードタイムを必要とされています。そのために、Oracle DBMSサポートをRimini Streetへ保守移管することにより、コスト削減にチャレンジされています。

西欧では、戦略的に複数のDBMSによる階層アプローチをとられる企業もいらっしゃいます。弊社がOracle DBMSをサポートさせていただいている最大規模のお客様では、社内の標準DBMSを階層ごとに選定し管理する決定をされたています。このお客様では、ミッションクリティカルなグローバルシステム、通常のグローバルシステム、および、部門システムと3層の定義を行われ、ミッションクリティカルなグローバルシステムは今までの実績を評価されOracle DBMS、通常のグローバルシステムはSQL Server、部門システムはオープンソースDBMSといったアーキテクチャを定義され、Oracle DBMSのサポートを弊社へ移管されています。

オープンソースDBMSというと、まだまだ心配されるエンジニアもいらっしゃるかもしれません。しかし、考えてみてください。Linuxが世の中に出てきた当時は、多くのエンジニアがミッションクリティカルなシステムはUnix、もしくは、Windows Serverでなくてはと考えていましたが、今では多くの基幹システム、例えば、SAP ERP等もLinux上で動作をしています。同じことがオープンソースDBMSでも、すでに起きています。

トランザクション処理のSystems of Recordから顧客エクスペリエンスを強化するSystems of Engagementへ投資がシフトする中、DBMSを適材適所で選択する時代になっていると思います。皆さんも、一度立ち返ってDBMS戦略を考えてみてはいかがでしょうか?

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脇阪順雄, 日本支社長

脇阪順雄, 代表取締役社長

エンタープライズIT領域での30年を超える経験をもとに、お客様の投資対効果の最大化と、イノベーションへのサポートを行ってまいります。また、リミニストリートのグローバルな事業展開と成長を推進してまいります。