「State of Innovation」(イノベーションの現状)調査で、CIOが直面する多くの障害が浮き彫りに、一方でイノベーションに対する投資のメリットとROIは明白
ラスベガス発、2018年6月13日 – エンタープライズソフトウェア製品とサービスの世界的プロバイダーで、OracleおよびSAP ソフトウェアの第三者保守サポートにおいて業界をリードするリミニストリート(Nasdaq: RMNI)は、最近実施した世界規模の調査結果を公表しました。調査の目的は、資金を調達してイノベーションに投資する際、ITおよび財務の意思決定者が直面する優先順位や課題を深く理解することです。テクノロジー市場調査会社のVanson Bourne社が実施し、オークランド大学ビジネススクール経営学大学院の教授であるllan Oshri氏が分析したこの調査は、北米、南米、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋地域の、幅広い業界に属する900人に上るCIO、ITリーダーおよび財務の意思決定者の回答に基づいています。
この研究では主に、ITおよび財務のリーダーが、イノベーションやビジネス変革の重要性を認識しているにもかかわらず、「事業の継続に多額の予算を割いている」(77%)、「イノベーションへの重要な投資に対する役員会の支持が十分得られていない」(76%)、「ベンダーの契約に縛られてイノベーションが制限されている」(74%)など大きな障害に直面していることがわかりました。
イノベーションへの支出額と事業の運営維持のバランス
ほとんどの組織が、自らイノベーターになりたいという想いや野心を持っていると表明する一方で、その取り組みに対する予算確保に苦心していることを、調査回答者の71%が示しています。どこもIT予算が縮小される中で、ITおよび財務の意思決定者は、事業の成長戦略を追求し、そのために投資するよう求められながら、現状の運用を維持および稼働させるために多額の予算が必要になるという現実とのバランスをとることを強いられています。
役員会を巻き込む
また、変革への取り組みのための予算を求める際、ITおよび財務のリーダーが直面する障害の上位に位置する要因として、「イノベーションへの重要な投資に対する役員会の支持が十分得られていない」ことを回答者の76%が挙げています。イノベーションの主導権を握っているのは役員レベルであることが改めて明らかになりましたが、回答者の半分は、イノベーションへの投資が事業に不可欠であると役員会を説得するのに失敗したとも答えています。
さらに多くの回答者が、「役員会がITインフラ全体を統合する複雑な変革プロジェクトを避ける」(64%)、「役員会はイノベーションよりもコスト削減を重視している」(63%)、「役員会は会社にはイノベーション目標を達成するスキルがあると思っていない」(57%)といった点で意見が一致しています。
では、ITおよび財務のリーダーはどうすればこのような役員会の考え方を変え、承認を取り付け、本当に必要な事業変革への取り組みを前進させることができるのでしょうか?
オークランド大学ビジネススクール経営学大学院の教授であり、Vanson Bourne社の調査データに基づく報告書「IT Leaders Frustrated with Barriers to Innovation and Falling Behind」(イノベーションへの障害と取り残されることに焦燥するITリーダー)の著者でもあるllan Oshri氏は、イノベーションへの投資には、リスクを取って、学ぶための失敗を恐れずに受け入れることを推奨する組織文化が必要であると言います。
「たいていの企業では、予測でき信頼できる結果の方が安心感を持てるため、事業の中で当たり前になっている習慣に異議を唱えようという意識は低くなります。このリスク軽減アプローチは、彼らのDNAに組み込まれているのです。しかし、イノベーションに秀でた組織というのは、不確実でありながらも革新的なイノベーション プロジェクトへの投資と、オペレーショナル エクセレンス重視のバランスをとるという、二元的な考え方を尊重しています。このバランスは極めて難しいものの、今日また将来的に成功を収めるためには不可欠なことのです」(Oshri氏)
イノベーションへの投資によるメリットと明確に証明されたROI
イノベーションへの支出額に対して役員会の支持を得るためには、「確実な」ROIを示すことが不可欠となります。調査データの中ではっきりしたのは、イノベーションに割り当てる予算を増すための隠し味がROIであるという事実です。イノベーションへの投資により、3分の1を超える回答者が、自分の属する組織はすでに収益が増加した(37%)、あるいは経費を削減できた(35%)と答えています。また、彼らはそれぞれ、年間収益が平均14%増加し、運用費を平均12%削減できたと述べています。さらに、回答者の83%が、ITイノベーションと業界における競争上のポジションの間に、明確な関係があることを認めています。そうなると疑問が残るのが、なぜ半分もの回答者がイノベーションの取り組みに投資する重大な必要性について役員会を説得できていないと答えているかということです。
この調査で明らかになったのは、イノベーションへの投資によって増収を経験したことがあると答えた回答者は、イノベーション予算についての不安が少なく、またイノベーションへの今後の投資について役員会を説得できる可能性が高いと考えていることです。また、同じ回答者グループは、これまでに生産性の改善(62%)、顧客満足度の向上(60%)、競争力の強化(53%)を経験しており、それがすべてイノベーションへの投資による結果であると言っています。
National Grape Cooperativeの加工販売部門で、7億ドル規模の企業Welch’sでCIOを務めるDave Jackson氏によると、消費者の購買傾向に変化をもたらしたことで知られる同社は、IT費用の抑制を進め、削減したコストとリソースを新たな市場に向けた取り組みに再投資するという方向へと戦略の舵を切りました。
「Welch’sには、事業の機能とイノベーションを強化しながらも、コストを削減できる戦略が必要でした。未来に投資するのと同時に、IT予算を最大限活用することが求められていたことから、予算をかける相手を第三者サポートモデルに切り替えたところ、年間維持および関連費用を速やかに約70%削減することができました。これにより、クラウド技術を用いて弊社のコアERPを最新のものに刷新し、IT戦略を推し進めることができたのです」(Jackson氏)
巨大ベンダーの戦略がイノベーションを妨害する
調査回答者の多くは、自らが属している組織が利用するエンタープライズ アプリケーション ソフトウェアのベンダーに対する過度の信頼に懸念を表明していました。
74%が、「ベンダーの契約に縛られてイノベーションが制限されている」ことがイノベーションの障害であると回答しただけでなく、54%が、ベンダーのクラウド戦略を採用するよう圧力をかけられているとの共通認識を持っていたのです。また、多くの回答者が、ベンダーによるクラウド アプリケーションのロードマップに対する透明性を求めています。
従来のソフトウェアベンダーからのイノベーションは期待できない上、進化を続けるビジネスニーズに迅速に対応しなければならないという圧力もあり、ITおよび財務のリーダーは資本とリソースをイノベーションと成長に割り当て直すための新たな戦略を模索しています。このような現実のもとで各企業では、コストの構成要素と予算の妥協点を大幅に考え直し、エンタープライズ アプリケーションの第三者サポートも含めた革新的な選択肢を、IT業界全体の中から探すことが必要となっています。
リミニストリートのグローバル製品マーケティングおよび戦略部門 グループバイスプレジデントHari Candadaiは次のように述べています。
「この調査により、CIOやITおよび財務の意思決定者は、イノベーションに投資することの戦略的価値を理解していて、前述の多くのメリットを受けるためさらに投資を行なっていきたいと思いながらも、事業の成長に不可欠な投資に必要となる資金の調達に苦心していることが浮き彫りになっています。われわれはこの駆け引きの力学を理解した上で、現在リミニストリートをご利用いただいている1,580社を超えるお客様が、エンタープライズソフトウェアの価値を最大限に活かしつつ、ITソフトウェアのサポートの陰に隠れた多額の資金を開放するお手伝いをすることが最重要と考えています。お客様は、削減額を事業変革プロジェクトに振り替えることが可能となり、その結果、競争力を維持できるだけでなく、CEOや役員会から将来のイノベーションへの投資を求められるという大きな付加的なメリットまで享受できるのです」
調査をまとめたeBook「The State of IT Innovation: Priorities and Challenges」(ITイノベーションの現状:優先事項と課題)のダウンロード(英語)はこちらをクリックしてください。この件に関する今後のネット配信に登録するにはこちらをクリックしてください。