IT人材不足に対応するための新しいアプリケーション管理サービス(AMS)モデル

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IT人材不足に対応するための新しいアプリケーション管理サービス(AMS)モデル

世界的なIT運用モデルへのプレッシャー
経済産業省が平成 28 年 6 月に公表した「IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査」 によれば、IT 需要が今後拡大する一方で、我が国の労働人口(特に若年人口)は減少が 見込まれ、IT 人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は、需要が供給を上回り、2030 年には、最大で約 79 万人に拡大する可能性があると試算されている。残念ながらIT専門家の国内の人口は縮小しており、DXなどの新しい技術が専門知識への需要を生み出しているため、残っている人材層は薄くなっています。※

ガートナー社の調査データ※によると 「Tech CEOは、今後1年間の優先事項として、人材の獲得と維持をトップ3にランク付けしています。」さらに、「Gartner Predicts 2020」※によると、「レガシーソフトウェアのサポートコストは年々増加する一方で、サポートから得られるメリットは減少しており、より低コストの第3者保守サポートのオプションを求める組織が増えている」としています。また、「市場の成長を管理し、レガシーコストを削減するために、ソフトウェアとクラウドの契約を交渉しよう」と述べています。

ITがより戦略的な位置づけになる中、ITの専門知識とビジネス理解の両方の必要性と相まって、多くのIT部門にとってIT人材の痛みは深刻なものとなります。さらに、オフショアやニアショアのアウトソーシング、シェアードサービスなどの従来の戦略では、人材不足に対処するには十分ではありません。このような中、少し古いですが、矢野研究所の「ITアウトソーシング市場総覧 2018」によると「クラウドサービスなども含めたデータセンター関連サービスの利用が増加している一方で、オンサイト運用・保守サービスの利用が減少している」と市場の伸びの鈍化を指摘しています。このような状況は、世界的なIT運用モデルにプレッシャーをかけており、多くの場合、次の2つの傾向が見られます。

ERPの専門家が急速に姿を消しつつある
クラウドとSaaSへの急速なシフトは、新しい人材とスキルを必要としています。また、国内ではERP系ITエンジニアの高齢化が進んでいます。このことは、新規または重要なITサービスを提供する能力にどのような影響を与えているのでしょうか?

ビジネスニーズを理解するITの人材層は、将来的に劇的に縮小すると予測されており、その影響は、不安定なシステム、より多くのエスカレーション、ビジネス機会を損失、事業部門との摩擦の増加の可能性があります。ここでも、ガートナー社は、その 「ポストモダンなERPのための2019戦略的ロードマップ(英語)」※で、「ERPの人材不足はすでに問題を引き起こしており、今後3〜5年間の成功への大きな障害となります。」と、みなさんが感じているこの問題の影響度を強調しています。

多くの企業は業務コストの増大と生産性の低下に直面しており、世界的な傾向では、スキル不足を埋めるための代替アプローチとして、すでにオートメーションや一つのタスクや開発トピックにチームの全員で取り組むスマーミングにシフトしています。また、ITサービスマネジメントの分野において、最も広く認知され、信頼されているベストプラクティスのITILのレベル 4に必要とされる人材やスキルを熱心にマッピングし、スウォーム化とライフサイクルの早い段階でテストを実行する左シフトの両方を視野に入れています。しかし、レガシーERPの人材や知識が不足しているため、ITプロジェクトのバックログの増加や、一見すると終わりのないインシデント対応につながっています。

進化しないアプリケーション管理サービス モデル
アプリケーション管理サービスのモデル(AMS)は、進化しているでしょうか?決して、そうではありません。理由を簡単に言えば、そのビジネスモデルは、いまだに人月がベースの古いモデルであり、システムに起因する問題に対応するリアクティブなものだからです。AMSは、進化するように設計されていないからです。AMS業界は、長年変化なく、米国デロイト社の調査※によると、以下のような問題を抱えてAMSが運営されてきました。

  • 労働力の裁定と規模は、初期のコスト削減をもたらすが、品質、リスク、敏捷性、内部管理へのプレッシャーを増大させる結果となった
  • メンテナンスと継続的な価値提供の分離は、洞察力よりも、スピードを重視した「壁を越えた」エンジニアリングを促した。熟練した人材でリソースを補おうとすると、特にアーキテクト、プロジェクトマネージャー、シニアビジネスアナリスト分野では、法外に高いコストがかかることになる
  • 戦術的なSLAに対する、コスト、キャパシティ、契約の実行が議論となり、結果や価値が重視されることはなかった
  • 契約はビジネスプロセスの改善を中心に構成されていましたが、それが達成されることはほとんどありませんでした。大事にされたのは、人の数だけでした。

では、どのような選択肢があるのでしょうか?人手不足に対抗する方法を見てみましょう。

今日、ビジネスが必要とするITサービスをサポートし、提供するための新しい方法

先進的な企業は、統合されたサポートとAMSのモデルを活用しています。例えば、リミニストリートは、レガシーERPのための、地域分散型のグローバルなエキスパート・エンジニアリング・リソースの強みを、ブレークフィックス・サービスのために提供しています。これらの同じエンジニアが、優先順位2、3のインシデントやサービスリクエスト、さらには機能強化のリクエストをサポートします。

ガートナー社によると、独立したサードパーティのサポートはすでに主流であり、ガートナー社は、「将来のイノベーションのために、ベンダーのサポートに代わるものとして、サードパーティのサポートを評価する」ことを推奨しています。

主なメリット

  • ITILのレベル2、レベル3、レベル4のサービス層の上下を問わず、スキルや人材に即座にコネクトできます。スタッフの増強でスキルのギャップを埋めるための無駄なサイクルはもうありません。リミニストリートの経験豊富なエンジニアリングリソースを使って、インシデントをログに記録するのはどうでしょうか?
  • ビジネスに不可欠なシステムは、より効率的な運用モデルにより、カスタマイズを含めたAMSとサポートを1つのベンダーで提供することで、より長く稼働することができます。従来のAMSモデルのように、メンテナンス費用が高額になるだけでなく、人為的な工数の支払いが発生することもありません。
  • 簡素化された運用モデルは、コスト、成熟度、必要なスキルの間の適切なバランスでギャップを埋めるようにスコープされており、変化するビジネスの要求に柔軟に対応することができます。


先進的な企業は、統合されたサポートとAMSのアプローチで時代の先端に行っています。IT人材不足が深刻になる中、ベンダーの保守サポートの置き換えとAMSを統合したサービスモデルを検討いただければ幸いです。

※1IT 人材需給に関する調査IT人材需給に関する調査https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf1ページ目を引用

※2「Gartner Talent Management for Tech CEOs Survey, 2020」(ガートナーの購読が必要) https://www.gartner.com/en/documents/3976155/survey-data-gartner-talent-management-for-tech-ceos-surv

※3「Gartner Predicts 2020(英語)」https://www.riministreet.com/blog/gartner-predicts-2020/

※4「2019 Strategic Roadmap for Postmodern ERP」(ガートナーの購読が必要) https://www.gartner.com/en/documents/3933972/2019-strategic-roadmap-for-postmodern-erp

※5「Value-driven AMS The difference is in the results (英語)」https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/global/Documents/Technology/dttl-technology-valuedrivenams.pdf

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